しかし、問題は見た目だけに留まらなかった。

「顔の右半分がとにかく痛いんです。唇から歯茎まで腫れて、歯科で麻酔の注射をしたときのような感じ。片方の鼻からは鼻水が出なくなり、のども片側が痛いから、食べ物を飲み込むのも大変。目やこめかみにも水疱が出たのですが、あと1ミリ目に近かったら失明していたかもしれない、と言われました」

顔にできたかさぶたは、その後きれいにとれたが、退院後、2ヵ月は寝たきりで、気がおかしくなるような痛みが続いた。ペインクリニックや鍼、灸など、いいと聞いたところに通ったが効果はなく、いまもこめかみとのどにブロック注射を打ち、痛み止めを飲む生活が続いている。

「耳の中には発作的に激痛が走ります。歯茎も腫れたまま、耳たぶは柔道選手の耳みたいです。三叉神経のすべてが傷ついてしまったので毎日軽い頭痛がありますし、洗髪すると、右半分の髪の毛だけ、手触りがゴワゴワして指が通らないんですよ。

これをお読みになった方には、体に痛がゆさを感じたら、迷わず皮膚科に行くことをお勧めします。別に、ただの虫刺されですよ、と言われてもいいじゃないですか」