「祭りに神隠しは付きものでござんす」

新之助を前に立ち止まったうつせみでしたが、突然その背中をグイっと押されます。

振り返るとそこには松の井の姿が…。

「祭りに神隠しは付きものでござんす。お幸せに」

そう告げた松の井は、手に持った花笠をもう一つうつせみに手渡します。

祭りの渦を抜けて歩み寄るうつせみの手をとった新之助。

吉原中が喧騒に包まれる中、花笠を被った二人はそのまま静かに大門を出ていくのでした。