4月10日は「嫉妬の日」です。noteが主催する「創作大賞2023」で幻冬舎賞を受賞した斉藤ナミさん。SNSを中心にコミカルな文体で人気を集めています。「愛されたい」が私のすべて。自己愛まみれの奮闘記、『褒めてくれてもいいんですよ?』を上梓した斉藤さんによる連載「嫉妬についてのエトセトラ」。第3回は「恋愛嫉妬地獄」です
偽のアカウントを生み出した
「はじめまして。リョウコといいます。いつもEさんの投稿を見てます。カッコよくてめっちゃタイプです。今度飲みにいきませんか?」
ある時私はSNSで巨乳の若い女の子のフリをして自分の恋人にDMをした。
22歳の女子大生「リョウコ」という架空の女性を作り上げ、適当な写真を拾ってきて(絶対やっちゃダメ)、偽のアカウントを生み出したのだ。
小柄なのに服の上からでもわかる巨乳で色白、もちろん顔も可愛く、休日はたくさんの友達とアウトドアを楽しむタイプという人物像だ。つまり私と正反対。
さあ、早くひっかかれ! 本当は私なんかよりこんな子が好きなんでしょ? どうせ私は要らないんでしょ! でも……もしかしてもしかしたら、無視してくれるかも? ちゃんと私だけを愛してくれているのかも? お願い、やっぱり返信しないで!
泣きながら彼の返信を待った。