イケメンで少しヤンチャな彼
背が高くイケメンで少しヤンチャな彼。付き合い始めは一生懸命に尽くしてくれていたけれど、半年ほど経って雑になってきた頃に見えてきた彼の正体は、女性にも仕事にも生活にもだらしがない男だった。それでも好きなところはあったし、別れるには惜しく、そのまま過ごしていた。
そんな中、私は彼の部屋で謎のプリクラを見つけた。彼がいない隙に棚の引き出しを見たのだ。「マキ♡E(彼の名前) ずっと一緒」と書かれたそのプリクラには、ニヤニヤした彼と「マキ」という巨乳で小柄でショートカットの頭の悪そうな女が写っていた。日付は先週だ。
……は? なにこの女! マキって確か元カノだよね? なんで会ってるの!?
頭がカッとなり、腹の底からぐわああああっっと怒りが沸き起こってきた。どういうこと? 別れてないの? 二股!? 「ずっと一緒」だと? ばーか。彼は私とずっと一緒にいるんだよ!
そこまで好きではなかった彼だったけれど、突然現れた他の女性の影に対して私は一瞬で凄まじい嫉妬心を起こし、急に「取られたくない!」と思ってしまった。
巨乳で小柄……私と反対じゃん。もしかしてこっちが遊びで本当に好きなのは、マキなの?
マキのことを想っている彼の気持ちを想像すると、怒りがしぼんで今度は悲しさが押し寄せて溺れそうになった。喉の下あたりが、キューっと縮んで痛かった。