「本当にやりたいこと」より「いまやりたいこと」
60歳を迎える前にすべきこと。それは「自分探しの旅」に出ることです。日々の忙しさを言い訳にせずに、自分と向き合う時間をしっかりとることです。気が重いかもしれませんが、ここで気持ちが楽になるアドバイスがあります。
それはやりたいことを1つに絞る必要はないということです。「本当にやりたいこと」を探さなきゃと思うと、かなりのプレッシャーになります。1つに絞るということは、他の選択肢を捨てるということ。だから怖くて決められないのです。失敗したくない、後悔したくないという気持ちになってしまいます。
そうではなくて、いまはこれに関心がある、まずはこれから始めてみよう。それぐらいの気持ちで動き出してよいと思います。いくつかやりたいことがあるのなら、絞らずに全部やってみればいいのです。
変化の激しい時代に、1つの仕事、1つの収入源に絞ってしまうことはリスクも高い。いろいろやっていれば、どれか1つは育ってくれるものです。30年という時間があるのですから、順を追ってトライしていってもよいわけです。
例えば60代はパワフルに3つのことに挑戦して、70代で2つに絞り、80代はもっともやり続けたいこと1つに絞っていくという考え方もあります。
1つは経験を活かして収入も期待できること、もう1つは全くの未経験なので収入はまだ期待できないけれどこれから育てていきたい仕事、もう1つはその中間といった具合です。
これから30年は月々10万を稼ぐ必要があるとすれば、60代は15万円、70代は10万円、80代は5万円という稼ぎ方も現実的のように思います。
※本稿は『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』(著:河野純子/KADOKAWA)
「とらばーゆ」元編集長にしてライフシフト・ジャパン取締役CMO、人生100年時代のライフシフトを研究する著者がひもとく、60歳からの仕事と暮らしのリアル。
これから40年、いつまで働く?どう暮らす?
最新データと33人の実例、著書の体験からひもとく「60歳からの女性の生き方」新バイブル