現代の60、70代は、まだまだ若い一方、「老い」をどう受け入れていくかについて、考え始める世代でもあります。そんな時助けになるのが「知力」です。「インプットした情報はアウトプット」、「できないことには鈍感力を発揮」など日々の習慣が、60代からの自分を作り直してくれます。「身体」と同様に「知力」にも鍛え方や保ち方のコツがあると語る、身体と言葉の専門家・齋藤孝さんの著書『60代からの知力の保ち方』より一部を抜粋して紹介します。
「老い」が変わった!
最近の感覚からすると、60、70代を老人と呼ぶのはまだ早い気がするという方が多いのではないでしょうか。
素直に老人と思えるのは、80代以上という認識を持つ方が一般的かもしれません。
将来的には、老人という言葉自体、死語になりそうです。見た目も一昔前に比べたら、ずいぶん若々しくなっています。
聞いて驚いたのですが、『サザエさん』一家の父親の磯野波平は、54歳の設定です。
その年齢で、老いの貫禄(かんろく)十分でした。掲載紙を替えながら『サザエさん』が新聞連載されていたのは1974年まで。
定年が60歳に義務化されたのは1998年のことで、それ以前は55歳が定年でした。