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人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。

今を大切に

シニア世代は、どうしても出不精になりがちです。若いときはフットワークが軽く、突然の誘いでも、「いますぐ行くわ」と出かけられたのに、いつの頃からか「雨が降りそうだわ」「これから出かけると、帰りが遅くなる」「暑いから」「なんか気分がねえ」と、いくらでも出かけない理由が出てくるようになってしまいます。

たとえば、友だちから電話で「上野の美術館の話題の展覧会なんだけど、よかったら一緒に行きましょうよ。来月までやっているから、都合のいいときにどう?」と誘われたとしましょう。

これに対し、「あら、私も観たかったのよ。じゃあ、そのうち行きましょう」と言ったのでは、おそらく約束は実現しないでしょう。

「今度」と「そのうち」はやってこないものと思ってください。

誘いを受けたときの答えとして、「そのうちに」「今度ね」とか、「暖かくなったら」「涼しくなったら」というのは、単なる社交辞令のようなもの。

人によっては、「あまり行きたくないんだ」と思うでしょう。