私の52歳からのライフシフトは、会社の方針に心のアクセル「違和感センサー」が反応し、「自己との対話」が始まったことが出発点でした。
けれども、そのあと半年ほどぐずぐずしていて、ライフシフトの旅は停滞します。振り返れば心のブレーキ「ノットリリース」(会社員という安定した立場を手放したくない)を踏んでいて動けずにいたのです。
旅を一歩前へと動かすきっかけは、書籍『LIFESHIFT』を読んで、「年齢バイアス」を手放すことができたこと。その結果、心のアクセル「未来への期待」「旅立つ勇気」がむくむくと育っていき、旅を止めていた「ノットリリース」も手放すことができました。「年齢バイアス」を手放す効果はとても大きいのです。
心のアクセルの中では、「スモールステップ」「学びのひきだし」「マルチリレーション」が、かなり活用されています。
「スモールステップ」の大切さは、ここまで何度か触れてきました。まずは小さな一歩を踏み出すことで、さまざまな学びがあり、やがて「失敗する恐怖」や「完璧への執着」を手放し、「未来への期待」「旅立つ勇気」も高まっていきます。
「学びのひきだし」も同様の効果があるアクセル。学んだことで「自己への信頼」が高まったという話もよく聞きます。
「マルチリレーション」も他の変身資産に及ぼす影響が大きいアクセルです。多様な人と交流することによって、「自分らしさの自覚」が育ちます。
自分らしい人生を生きている人との出会いは、「人生の委任」「過度な自己犠牲」「集団への同調」を手放すことにもつながります。
※本稿は『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』(著:河野純子/KADOKAWA)
「とらばーゆ」元編集長にしてライフシフト・ジャパン取締役CMO、人生100年時代のライフシフトを研究する著者がひもとく、60歳からの仕事と暮らしのリアル。
これから40年、いつまで働く?どう暮らす?
最新データと33人の実例、著書の体験からひもとく「60歳からの女性の生き方」新バイブル