快楽に耐える仕組みは脆弱
もちろん、脳も同じで、私たちの脳には、苦痛に耐えて生き延びるための仕組みが数多く用意されている。苦痛を感じれば、それをできるだけ弱め、無視して生きられるようにさまざまな機構が動く。
けれどもやはり、快楽に耐える仕組みはこの脆弱な意志の力以外には存在しない。快楽は、身体的、認知的と、異なるレイヤーにおいて、あればあるほどよいと脳が錯覚するように仕組まれてしまっている。
一度、快楽を得れば、その甘美さから自力で離れるのはかなり困難で、やめたくてもやめられない。
社会的に大きな障害になっている(自分の周りの人や、自分自身がそれによって健全な社会生活を送ることが難しくなる、という意味で)のでなければ、あるいは、大きな障害になっていたとしても、その行為を止めることが難しい人は驚くほど多い。