脳でわかるウソをつきやすいタイプ
京都大学の阿部修士教授が、ウソを頻繁につく人に見られる特徴的な脳の活動についての研究結果を報告している。報酬が期待されるときに側坐核の活動がより高くなる人ほど、ウソをつく割合が高いという傾向がわかったのだ。
言い換えれば、自分が得をするならばウソをつくことに抵抗がなくなる、望ましい何かが起きそうなときにはウソをつくことがより多くなる――そんな人の脳の特徴が明らかにされた、と言えばいいだろうか。
研究では、金銭報酬遅延課題と、コイントス課題が用いられている。
金銭報酬遅延課題では、モニターに正方形が表示されるのだが、表示される時間は非常に短く、ごくわずかのあいだだけ正方形が画面に現れる。そのほんの一瞬のあいだにボタンを押すことができれば、被験者はポイントがもらえる。
これはかなりゲーム的な側面のあるタスクであり、脳内における報酬をつかさどる部位である側坐核は、こうしたゲーム性のある作業を行うとき、報酬への期待が高まって活性化することが知られている。そして、タスクを行っているときに側坐核の活動が活発な人であるほど、報酬への欲求が大きいということになる。