穏やかな日々のなかで自分なりの幸せをみつけていく―。桜井ユキさん主演のドラマ『しあわせは食べて寝て待て』(NHK総合/火曜10時~)が放送されている。原作は水凪トリさんによる同名漫画。桜井さん演じる麦巻さとこは38歳独身。一生付き合わなければいけない病気「膠原病」にかかり、仕事も生活も一変。週4日のパート勤務になり、マンションの更新に悩むことに。90歳の大家・鈴(加賀まりこ)と薬膳に詳しい謎の同居人の司(宮沢氷魚)と出会ったことをきっかけに、引っ越した先は築45年の団地。さとこは暮らしに薬膳を取り入れ、団地の住民に見守られながら「できないこともある今の自分」を受け入れていく。
さとこの成長物語
がんばることが全てじゃない。ドラマを見て「明日、ゆっくりしようかな」と感じてもらえたらいいなと思っています。『しあわせは食べて寝て待て』というタイトルが素敵ですよね。食を大切にするドラマだけれど、それだけではないんです。膠原病にかかって、人生が一旦立ち止まってしまっているさとこが、人との関わり合いの中で成長していく物語です。
人間関係で悩んでいる方ってたくさんいらっしゃると思うんです。私も「誰とも関わらずに1人でいた方が楽だ」って思ったこともあるんですが、それでは何も広がらない。一歩踏み出して人と関わってみたり、住む場所を変えてみたり、何か自分に新しい要素を一つでも入れていくと、予期せぬ成長や自分の魅力に気づける。それを日常の中で見つけていけるっていうのがこの作品の魅力だと思っています。
物語はさとこが壁にぶつかってしまうところから始まります。「疲れたな」とか、「今ちょっと人と距離を置きたいな」と思ったら置いていい。自分を甘やかす勇気も必要。必ずしも前に進むことや頑張ることが全てではない。「休んでいいんだよ」っていうことを感じてもらえるドラマじゃないでしょうか。