「鈴さんみたい」な加賀まりこさん
鈴や司との出会いによって、さとこは変わっていきます。前の会社でいろいろあったから、すごく気を使いながら人と接してしまう。そこにあまり深く物事を考えず積極的に来てくれる、鈴さんのパワーはすごく大きかったと思います。
さとこのように「行きたいけど行けない人」もたくさんいる。だから、鈴さんがある種強引に「こっち来なよ」って手を引っ張ってくれる力強さに戸惑いながらも魅力に感じたんだと思います。
加賀まりこさんは、本当に鈴さんみたいな方。大先輩ですし、初共演で緊張していた部分もあるんです。初めてお会いしたとき、私の喉が枯れていたら「喉痛いの?これ飲んだらいいよ。私いつも飲んでいるの」って特製のドリンクをくださった。初対面でそれができてしまう加賀さんの優しさやまっすぐさに触れて「鈴さんだ」って思いました。
司は、近すぎず遠すぎずの絶妙な距離感で優しさを置いて離れていく。それが心地よかったんだと思います。演じている宮沢さんは、とても透明感のある方で。司というキャラクターは凄く難しいと思うんです。醸し出す柔らかさ、優しさだけではない「司の抱える何か」を常に腹底に抱えてなくてはいけない。そこを絶妙な塩梅で演じられている宮沢さんは一緒にお芝居をさせていただいていて本当に素敵だなと思っています。