順調なスタート
初日の運賃収入は1650円でした。予測としては「開業月は1日約200円~400円で、次月以降から軌道に乗れば1日1200円くらいだろう」というものだっただけに、極めて順調な数字です。一時は実現さえ危ぶまれた箕面鉄道ですが、一三の懸命な工夫で順調なスタートを切ることができました。
そして、開通からおよそ半年が経った11月、沿線に乗客を呼び込むべく、一三は箕面動物園を開園します。
続いて一三は宝塚に目を移し、明治44(1911)年5月には、宝塚新温泉をオープン。大浴場を設置するなど、ファミリーを意識した戦略はまたもや大当たり。1日に数千人もの入浴客が大理石の浴槽に殺到するという、異常なほどの成功を収めました。
この温泉に付随するように、一三は洋館娯楽施設「パラダイス」を開設し、屋内プールや各種アトラクションを設置。進化したテーマパークは、ターミナル娯楽施設の先駆けとなりました。