夜9時に自宅に呼び出され

報告を受けた女性の係長が、先方の指定どおり、まずは電話で謝罪をしました。しかし、Aさんは、昼間と同じことを延々と話すだけでした。

そこで、訪問して謝罪しようと訪問日時を確認すると、「明日の夜9時にしてください」とやや常識外とも言える時間を指定してきたのです。

顧客の詳細を、接客した販売員に聞いてみると、感情の起伏が激しく、女性には敵対的な態度や言葉で接し、男性には普通に話すと言います。のちほど何人か登場しますが、クレーマーは男性が圧倒的に多く、女性は珍しいものです。

訪問は夜遅いため、女性係長ひとりでは無用心であり、私も付き添いで同伴しました。

延々2時間半の会話は、同じことの繰り返しと、自分が勤めている会社の自慢です。どうやらAさんには、販売業に就いている者に対するさげすんだ見方がしみついているように、感じられました。

当方としては失礼を詫びましたが、その光景は異常でした。

説明は玄関で行いました。説明を受けるAさんは、私たちの訪問と同時に一度部屋に消え、椅子を持ち出し、自分だけ腰掛けて話を聞いたのです。

この間、私たちは寒い玄関でずっと立ったままでした。

後日ご来店いただくということで、その日の話は、ようやく終えることができました。