苛立ちの原因

さてそれからが大変です。

対応を考えているうちに、Aさんから、今度は「夜の10時に来てくれ」との電話が入りました。女性係長に課長が同伴して、謝罪とともに、対応の説明のために再度、訪問したのです。

Aさんは、「2人で行けるわけはないのに、『2人で来い』と言われた」と前回のクレームを繰り返し、「そのうえ保証書を入れ間違えられて迷惑した。私たちの大事な行事に水をさしたことに対して、どうしてくれるのか」とかんかんです。

(イメージ写真:stock.adobe.com)

Aさんはさらに、「売り場は最初から対応が悪い」とか、「電話での話し方がなっていない」というように、延々と非難を浴びせます。

挙句の果てに、私どもが提示した案では時間がかかる、として、「こんな手法がよいのではないか」と逆提案を受ける始末です。

フランス国内の郵政事情をよく知っている様子です。Aさんの父親は、その関係の官庁勤めではないかと思いたくなるほどでした。

苦情はずっと続き、夜11時を回りました。

結局、Aさんの言うとおり、航空会社と回収業者経由で商品を戻し、こちらからは手元にある男性のものをフランスに送ることで、話がまとまりました。もちろん経費はこちらの全額負担です。航空会社、回収業者ともに、Aさん指定のところでした。

ここで一件落着かと思いきや、その後またトラブルが発生したのです。