「女性ヤクザ」と感じて

Aさんはすぐに、他人に噛みつくクセがあります。さらに自分の仕事が他人のそれより優れていると思い込み、販売業を見下す姿勢は一貫していました。

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私はAさんを「女性ヤクザ」だと感じたくらいです。言葉の使い方、話の持っていき方、そしてすべて自分の思うようにしていくやり方が、いかにもヤクザの対応に似ていたからです。ヤクザとの対応も、こちらは豊富に経験していたものですから。

やがて、商品は無事に日本に戻ってきました。事件が解決したのち、Aさんから一度、電話をもらいました。

そのときの話は、あるブランドについて、「本店で扱いがあっても、テナント等で出店している店舗では扱えない商品がよくある」という指摘です。Aさんはそのブランドをよく研究しているらしく、その商品がこちらの店舗にないことに、不満をもらしていました。

Aさんの注文であっても、こちらの店舗には納品されないのだそうです。Aさんは百貨店で買ったときに付けてもらうポイントのことも考えて、こちらで購入したかったのだそうですが、諦めて店頭にあるもので決めて、購入したといいます。