薬が体を治すのではなく、体が薬に反応して「治す力」を起動する
その証拠に、どれほど優秀な新薬であれ、亡くなる前日に投与しても何の効果もありません。なぜなら、患者さんの体が薬に反応しなくなるためです。
当たり前のように思うかもしれませんが、これはつまり、体にもともと備わっている「生命力」が働かない限り、薬は無力だということを示しています。
そこで私は次のような考えに至りました。
「薬が体を治しているのではなく、体が薬に反応して治す力が引き出されるのだ」
そう考えると、すべてが腑に落ちます。
※本稿は、『漢方で腸から体を整える』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
『漢方で腸から体を整える』(著:井齋偉矢/青春出版社)
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