虚構はもうすでに始まっている
極めて自然に、不可逆にね…
(2)につづく
※本稿は『残像に口紅を (KADOKAWA MASTERPIECE COMICS)』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
『残像に口紅を (KADOKAWA MASTERPIECE COMICS) 』(著:寺田浩晃/原著:筒井康隆)
SNSで話題となり、原作は約50万部のベストセラー!
筒井康隆の実験的な名小説をまさかのコミカライズ
世界から一つずつ文字が消えていく。文字が消えれば、言葉が消える。言葉で表現できないものは、この世から消える。――いったいどれだけのものを消滅から守れるだろう。
ある日突然、物語の主人公として虚構の世界を生きることになった小説家・佐治勝夫。現実と虚構が徐々に溶け合っていく中で、佐治はなにを思うのか?
作者:筒井康隆
出版社:中央公論新社
発売日:1995/4/18
出典=『残像に口紅を (KADOKAWA MASTERPIECE COMICS)』(著:寺田浩晃/原著:筒井康隆/KADOKAWA)
寺田浩晃
漫画家
1995年、静岡県生まれ。大阪芸術大学芸術学部卒。卒業制作選抜展で学長賞授賞。2018年、「週刊少年サンデーS」で漫画家デビュー。2021年6月、短編漫画「三途の川アウトレットパーク」が「世にも奇妙な物語」(フジテレビ)で実写ドラマ化。2022年5月、短編集『黒猫は泣かない。』を出版。2023年2月から「サンデーうぇぶり」で『三途の川アウトレットパーク』を連載中
筒井康隆
作家
1934(昭和9)年、大阪に生まれる。同志社大学文学部で美学芸術学を専攻。60年、SF同人誌「NULL」を主宰、本格的創作活動に入る。81年『虚人たち』で泉鏡花文学賞、87年『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、89年「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、92年『朝のガスパール』で日本SF大賞、99年『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞。2002年、紫綬褒章を受章。10年、菊池寛賞を受賞。『虚航船団』『文学部唯野教授』『パプリカ』など著作多数。近著に『ジャックポット』(2021年)がある