毒殺説のある人物といえば
日本の中世だとどうでしょうか? 毒殺疑惑がある有名人というと、北条義時と足利直義ですね。
承久の乱ののちに指名手配犯となった二位の法印尊長は、逃亡の後に捕縛されたとき、武士たちに向かって「さっさと殺せ。北条義時殺しに使われたあの毒で、おれを殺せ!」と叫んだといいます。
「北条義時は妻に毒殺された」という話がウソか本当かは別として、人々の間で噂されていた、ということはあり得るわけです。
足利直義の場合は、兄の尊氏に毒殺された疑いがある、と『太平記』に書いてあります。
鴆(チン)という鳥がいて、その鳥の羽を酒に浸しておくと毒酒ができる。その毒で直義は殺された、というわけです。