あらためて家基が毒殺された可能性は…
日本で毒というと、あとはフグ、毒キノコ、トリカブトくらいでしょうか。
問題はどれを使うにせよ、そこから毒のみを抽出する必要がある、ということなのです。そこでぼくは細矢さんに質問しました。「毒を抽出する作業というのは、誰でもできますか? それとも専門的な知識を持っていないとダメですか?」と。
対する細矢さんのお答えは、「学生や大学院生レベルだと厳しいでしょうね。研究者レベルになって、初めてできることだと思います」。
そうか。そうだとすると、中世はもちろん、江戸時代の人にも、毒薬を作るのは簡単じゃあない、となると家基が毒殺された可能性は低い、ということですね。
だったら、死因として考えられるものはなにか?
それを考えるのであれば、オランダ商館長が書き残した記事が気になります。それによると、家基はオランダ商館が献上したペルシャ馬に乗っているうちに落馬し、うちどころが悪くて亡くなった、と書かれているのです。
ただし、記事は家基の死から20年の後に記されている。同時代資料ではないのですね。
だから信頼性は落ちるのですが、こうしたことがオランダ商館という限定された場で語り伝えられている可能性は、「アリ」だと思います。 もちろん、そうはいっても、そういう説もあり得るかな、くらいですかね。
簡単に答えは見いだせないでしょうけれど、ドラマの今後を追いながら、あわてずに考察を進めていきましょう。
大河ドラマ「べらぼう ~蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)〜」
【放送予定】2025年1月~
【作】森下佳子
【主演】横浜流星(蔦屋重三郎 役)
【制作統括】藤並英樹 【プロデューサー】石村将太、松田恭典 【演出】大原 拓、深川貴志
【放送予定】[総合]日曜 午後8時00分 / 再放送 翌週土曜 午後1時05分[BS・BSP4K]日曜 午後6時00分 [BSP4K]日曜 午後0時15分