前向きな離婚なら応援を

そもそもスピリチュアリズムの視点で見れば、結婚も離婚も人生の一メニューにすぎません。どちらを選んでもかまわないのです。大事なのは、そのメニューを選ぶ動機。

もし娘が夫の浮気をきっかけに、自律して生きていこうと決心し離婚するなら前向きな動機だと言えます。そのうえで、生活していくために必要な慰謝料や養育費を夫に払ってもらうのも当然でしょう。ただ、自分を裏切った夫への仕打ちとしての離婚で、夫や不倫相手へ法外な慰謝料や養育費を請求するとしたら……。それは、溜飲を下げたいだけであり、「かわいそうな自分」を世間に印象づけて、相手方に罰を与えたいといういじわるな動機が隠されているような気がします。自らが蒔いた種は自らが刈り取るという「因果の法則」は、どんな場合でも、誰にでも当てはまるもの。自分がしたことは必ず自分に返ってくる。それこそが学びです。その学びの機会は今後の人生にあるのか、生まれ変わった来世にあるのかはわかりません。

例えば、娘の子どもが女の子で、結婚したときに同じようなことが起こるという学びも考えられるでしょう。自分のことなら自ら落とし前をつけられますが、自分ではどうにもならないことほどつらいものはなく、娘の姿を客観的に見てようやくかつて自分のしたことがわかるという場合もあるのです。

そういったことも踏まえつつ、親にできるのは、「恨みごとを言わず、前向きな離婚なら応援します」と伝えるだけ。そうでないなら、放っておくぐらいがいいでしょう。

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