厚生労働省が発表した「認知症及び軽度認知障害(MCI)の高齢者数と有病率の将来推計(令和4年度調査)」によると、65歳以上の高齢者の中で、認知症の人の割合は約12%となっています。認知症の人の介護をする家族も増えるなか、「認知症とは、患者家族に『決断』を強いる病気」と話すのは、認知症専門医の長谷川嘉哉先生です。今回は長谷川先生の著書『認知症は決断が10割』から、先生と、本の編集者である編集Tさんとの対談を一部抜粋しお届けします。
要介護(要支援)認定されたら、デイサービスに行ってもらう!
長谷川先生(以下、先生) それにしても、感慨深いですねぇ。まさか「デイサービス」という言葉が、世の中にこれほど広く認知される日が来ようとは……。
編集T どうしたんですか、いきなり。
先生 介護保険制度ができる2000年前後は、デイサービスなんて市町村にひとつしかありませんでした。でも、今やデイサービスはものすごい勢いで増えていて、たとえば、私のクリニックがある土岐市のお隣、多治見市って人口10万人なんですが、そこにはデイが60ヵ所ぐらいあります。……まぁ、団塊の世代の方が減ってきていたり、人手不足で職員がいなかったりして、どんどん潰れてもいるんですけども。
編集T や、闇ですねぇ。