人間は自由に人生や運命を切り開いていける

(3) 責任:フランスの哲学者、ジャン=ポール・サルトルは「人間は自由の刑に処せられている」と言いました。

私たちは、自由に人生や運命を切り開いていけますが、それには責任が伴います。

自由に生きられるにもかかわらず、自分で選択した人生の責任を負いたくないので、自由と責任から逃れようとします。

サルトルの思想は「実存主義哲学」といわれるもので、人間は意味(目的)があって存在しているのではなく、存在(器)がまず先にあって、生きる意味は、世界との関係の中で、自分で見出さなければいけないという考えです。

そして、サルトルと同時期に、ドイツで社会心理学、精神分析学の研究をしていたエーリッヒ・フロムは、主著『自由からの逃走』の中で、「人間は生きている意味を見出せなくなると他人からの承認がほしくなる」と述べています。

自分で生きる意味を見出すことができないと、存在価値を証明するために、財産や名誉や地位を得ることを目標とし、それができないと無価値感につながるというわけです。

自由に生き方を決められるということは、その結果がダイレクトに自分に返ってくるので誰の責任にもできません。

 

※本稿は『あっという間に人は死ぬから「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。


あっという間に人は死ぬから「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方(著:佐藤舞(サトマイ)/KADOKAWA)

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