「逝かせたりや!」

母の手を握りながら優しく話しかける姉を見て、わたしも言葉をかけようとすると、

「よしこ! 死ぬなよ!」

先に父が大声で叫んだ。

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「なんでやねん!」

「逝かせたりや!」

わたしと姉は同時に父に言い返した。

「この状態で引き留めて何になるんよ! 肉体の苦しみを終わらせて人生の幕を閉じていくことはなんら悪いことじゃないって話したよね? お母さんもそれに大賛成やったよ!」

ようこ姉の説明を受けて、父も、まあそうか、と納得したようだった。

「お母さん! いままでありがとう! こっちは大丈夫やから心配せんでいいからね!」