釜次に「教師になりたい」と伝える

第13回、のぶから教師になりたいと伝えられた釜次(吉田鋼太郎)は「いかん、いかん。嫁に行きそびれる」と猛反対する。未亡人の母・羽多子(江口のりこ)を助けるべきだとも言い、蘭子が高等女学校に行かずに郵便局で働いていることも理由とした。祖母・くら(浅田美代子)も同調する。くらは保守的で釜次に抗わない。

のぶ(今田美桜)が教師になりたいと釜次(吉田鋼太郎)に伝えるシーン
(『あんぱん』/(c)NHK)

一方、羽多子はのぶの意思を懸命に守ろうとする。釜次に向って「お願いします、のぶの夢を潰さないでください」と懇願した。普段の羽多子はひょうきん者だが、このときはまるで釜次と刺し違えるような迫力だった。

蘭子も「お姉ちゃんの夢はワテの夢や!」と声を上げた。のぶが進学することへの僻みは微塵もなく、釜次を睨みつけた。末っ子のメイコは何も言わず、うっすらと笑みを浮かべながら、結太郎の遺品であるソフト帽を釜次に被せた。のぶの夢をかなえるのは結太郎の遺志だと無言で訴えたのである。

これでは釜次はもう何も言えない。釜次はのぶが教師を目指すことを認めた。釜次は考え方がちょっと古いが、孫娘たちへの愛情は強いのである。