「日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一。2024年7月3日から発行されている1万円札の顔に選ばれ、NHK大河ドラマ『青天を衝け』のモデルにもなりました。著書の『論語と算盤』では、ビジネスと道徳心の在り方を説き、今なお多くの経営者に読み継がれています。もし渋沢栄一が、現在に転生したら…。そんな視点から描かれた、日本アカデミー賞「優秀脚本賞」を受賞した三浦有為子さんによる『渋沢栄一が転生したらアラサー派遣OLだった件』。なぜ転生系の題材に渋沢栄一を選んだのか…。アラサーOLになった渋沢栄一から学ぶ、現代を生きるヒントとは。
世代を問わず「生きづらさ」「息苦しさ」を感じている
現代の日本に生きる人たちは、世代を問わず「生きづらさ」「息苦しさ」を感じているのではないかと思います。幸福を感じる事が難しいという方も多いのではないでしょうか?
いや、そんな事はないという方もいらっしゃるでしょう。羨ましいです。
ですが、少子化がどんどん進み、その少ない子どもたちの自殺率は過去最高。そんな時代が生きやすい素晴らしい時代、ましてや「楽しい日本」だとは自分にはとても思えないのです。「まるでフランス革命前夜みたいな時代を生きる事になるなんてね」とここ数年ずっと話しています。
フランスの人々は命がけで革命を起こしたけれど、日本の我々はどうするのか? 「賃金があがらないなら、NISAをやったらいいじゃない?」とは、さすがに言われてはいないけれど、いやいや、普通に働いて普通に暮らしていけない社会の方がおかしいでしょう? 一方で、日本は富裕層がとても多い国でもあります。普通に働いても普通に暮らせない庶民と富裕層の違いは何なのか?