森下脚本の魅力

脚本の森下佳子は、大河ドラマは『おんな城主直虎』に続き2作目。朝ドラ経験もあるベテランだ。 

花嫁姿の瀬川の花魁道中(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

「森下さんの脚本は、面白くてどういうイメージなのか絵にしやすい。そして、余白がある。『演者に任せています』『監督に任せています』という部分をくださっている。それが、みなさんがキャラクターを生き生きと演じてくださっている大きな要因だと思っています。 例えば、自分が演出を担当した第10回の花嫁姿の瀬川の花魁道中。どういうシチュエーションなのか、道中だから『歩いている』としか(台本に)書いていないわけです。具体的にするのが我々の仕事。ともに作らせていただいている感じがすごくする作家さんです」 

蔦重と夫婦になるかと思いきや、吉原を去った瀬川。だまされ、孤独に陥った末に、獄死した源内。人物の繊細な心理描写とともに、非情な展開も容赦なく描くことから、SNSでも脚本の評価は高い。 

「『森下さんの地獄』とX上でもつぶやかれているように、『このままでは終わらない(展開)』というのがありますよね。『ああ、そっちに行かないで』というX上の声が多々ありますけど、『それが森下さん』っていうことになる世界は今後もあります」