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死別による悲しみは十人十色。癒えるのにかかる時間にも個人差があります。時間とともに変化する心の状態を知り、悲しみに向き合うヒントを試してみませんか(構成:内山靖子 イラスト:いだりえ)

前編よりつづく

心と向き合うために「話す」「書く」「整理する」

最初にお伝えしたように、「悲嘆」の体験は人それぞれです。長年の介護の末に見送ったのか、交通事故などの突然死によって大切な人を失ったのかでも、反応は大きく異なります。

つまり、「悲嘆」の感情を抱えながらも生活していくためには、なぜこんなにつらいのかと自分の心と向き合う必要があるのです。

その手段のひとつとして、「話す」ことがあります。自分の「悲嘆」を言語化し、同じような苦しみを抱えている人と体験を共有することに大きな意味があるからです。

私が関わっている保健所や葬儀社などでは、ご遺族同士が自分の体験を語り合うグループワークを行っています。こうした遺族会に参加しなくても、同じ境遇の人が身近にいれば、その人と話すのもいいでしょう。