江戸幕府最大の牢屋「小伝馬町牢屋敷」
海外の治安の良くない国には、日本とはまるで違う刑務所が存在する。リンチが横行していて、一回入ったら二度と出られない。一方でギャングのボスなどは刑務官を買収して刑務所にいながらリッチな生活をしている・・・。
そんな話はよく聞きます。
さすがに体験したことがないので、真偽の程は不明なのですが。もしかしたら江戸時代の牢屋も、ある種の無法地帯だったのでしょうか?
江戸幕府の牢屋は、江戸・京都・大阪・長崎などの奉行所や代官役所などにありました。
そのうちで最大のものが、現在の日本橋小伝馬町に設けられた小伝馬町牢屋敷でした。江戸時代初めから存在し、明治8年まで使用されていました。
牢屋敷の責任者は牢屋奉行の石出帯刀です。この職務と名乗りは世襲で、町奉行の部下でした。
サラリーは300俵。さほど高くはありませんが、れっきとした旗本です。配下として40名の同心がいましたが、幕末には76人にまで増えています。ほかに30人の下男がいて、下男が直接囚人と接していたのでしょう。