「恐ろしいほど寒い」

西川の手紙が残っています。

それによれば「骨と皮ばかりになって、歩くことができない。この冬は越せそうにない。恐ろしいほどに寒い(『勤皇家贈従五位西川練造傳)」とあって、牢の中で寒さに凍えていた『べらぼう』の源内同様、酷い状態に置かれていたことが窺えます。

なお、医者だった西川は「揚屋」という、一般の囚人よりマシな待遇がされるところに収監されていたのですが、医者のケアなどはとても期待できず、果たして12月に亡くなりました。

そして普通の囚人の扱いだった中村は9月(6月とも)に亡くなっています。牢内でどんな仕打ちを受けていたのでしょうか。