初めて会う約束をした時は緊張したものの…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは兵庫県の50代の方からのお便り。5年前から始めたSNS。夫の転勤で東京に滞在することが増え、暇な時間を満たしてくれたのは――。

趣味の合う友と

長らくアナログ生活を通していた私だが、5年前からSNSを始めてみた。フェイスブックとインスタグラムにアカウントを作り、趣味の神社仏閣巡りや洋館探訪、雲の写真などをアップ。初めは似た趣味の方々と互いの投稿にコメントし合う交流が楽しく、それで満足していた。

しかし数年前、夫の東京転勤が決まり、関西に拠点を残しつつ、月に数日は東京で生活するようになって変化が訪れた。知り合いがいない街で、夫が仕事でいない平日日中の暇な時間を満たしてくれたのが、SNSでできた友達だったのだ。

私が東京にいると報告すると、「一緒に行きたい神社があるのよ」「私のイチオシの洋館に案内するわ」「めずらしい雲が見られるスポットで一緒に空の写真を撮ろうよ」などと、積極的に誘ってくれる。

初めて会う約束をした時は緊張したものの、一度会ってしまえばもう友達だ。彼女たちのおかげで、短期間で東京の地理にも詳しくなった。

これまでママ友や仕事関係で趣味が合う人はほとんどいなかったので、同じものを見て「いいね」と感動を共有できることの尊さを知った。また、趣味だけでつながっているため、子どもの成績がどうとか夫の昇進がどうとかいった、面倒な見栄の張り合いとは無縁なのも心地いい。

当時大学生だった子どもたちがSNSで知り合った人と気軽に会うのを私は心配していたが、自分も始めてみて考えが変わった。

もちろん詐欺被害などの危険もあるので、慎重さは必要。怪しい集まりに誘われたり、会ってみたらメッセージでの印象と違って「アレ?」と思ったりすることもたまにはある。でも、それで臆病になっていてはもったいない、と思う日々だ。


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