昼の「おまかせコース」6500円。握りは仕入れで内容が変わる。手前右からしいたけの炙り、帆立、ぼたん海老、金目鯛、とろたく、中央右から中トロ、漬け、さわら、鯛。バラちらし、造りのほか、茶碗蒸しや蕪蒸しも。奥のデザートがわりの玉子は和三盆をかけてキャラメリゼしたもの
食の専門家たちが、デートや家族・友人とのお祝いに、自分へのごほうびに、ちょっと贅沢したいランチにおすすめのお店を紹介する連載『ごほうびランチ』。今回紹介するお店は、京都・東山にある江戸前鮨店「鮨麻布 東山」です。(撮影:伊藤信)

粋な江戸前寿司と京の和食の融合

高台寺や清水寺にほど近い、風光明媚な1700坪の敷地に佇む近代日本画家・竹内栖鳳(せいほう)の旧私邸を改装した建物「ザ ソウドウ 東山 京都」。昨年9月、その一角にオープンした「鮨麻布 東山」は、東京や海外にある寿司処の系列店。江戸前の握りに加えて、京都らしい味覚と季節感を取り入れた料理を楽しめるのが魅力だ。

昼のおまかせは「桜海老の茶碗蒸し」から始まり、「鰹の造り」、昆布締めにした鯛やさわらの握りが登場。魚介の多くを豊洲から仕入れ、酢締めや漬けなどのひと手間をかけた江戸前の仕事がなされる。しかし、すし飯は京都の風土に寄せ、軟水に合うように3種類の米と2種類の赤酢をブレンド。硬さや酸味を調整し、ねたとの一体感を生んでいる。

昼のおまかせに付く、石焼きにした熱々の「焼き胡麻豆腐」は夜も楽しめる定番の料理。焼くことを前提に、モチッとした食感をきかせ、仕上げにかけ醤油で香ばしさをアップ

握りの合間には野菜料理や焼き胡麻豆腐も供され、「握りだけだと流れが単調になりがちなので、味や温度の違う料理で緩急を生み、寿司を魔せず、ほどよくリセットできる軽めのものを心がけています」と大将の小山田好志さん。バラちらしも付き、玉子で締める頃にはお腹いっぱいに。

「鮨麻布 東山」店内写真
鮨麻布 東山(すしあざぶ ひがしやま)(京都/寿司)

●住所:京都府京都市東山区八坂通下河原東入八坂上町366 ザ ソウドウ 東山 京都
●電話:075・541・3331
●営業時間:昼11:30、13:30、夜17:30、19:45一斉スタート 不定休
●メニュー:昼/おまかせ6500円 夜/おまかせ9800円、1万5000円。要予約(オンラインのみ)
●アクセス:阪急京都線京都河原町駅2番出口より徒歩13分、京阪本線祇園四条駅6番出口より徒歩10分
●公式サイト:https://www.thesodoh.com/sushi/