「逆転現象」さえも起きる
また、雑な賃金設計が行われている企業では、一般社員の給与と管理職の給与の「逆転現象」さえも起きる場合があります。残業手当のつかない管理職と、手当のつく一般社員を比べて、残業が多かった月には、一般社員が管理職と同等かそれ以上の給与をもらうことが、会社によっては頻繁に起こっています。
「責任は高まるものの報酬に反映されない。仕事も定時で終われず、サービス残業もあるので後悔しかない」(47歳、男性、サービス業)
「一般的な通常の会社なら係長までは平社員扱いで時間外手当などもつくのに、係長以上は管理職だということで手当もつかないのに責任だけが重い」(51歳、男性、運輸・郵便業)
これらの賃金逆転は、単純に言えば賃金設計の「失敗」ですが、ここまでわかりやすい失敗ではないものの、次のようなことも起こりえます。管理職とメンバー層の「タイパ逆転」の現象です。「タイパ」とは最近よく言われる「タイム・パフォーマンス」(時間対効果)の略称です。