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日本のメディア産業、ポップカルチャーの礎を築き、時にお上に目を付けられても面白さを追求し続けた人物“蔦重”こと蔦屋重三郎の生涯を描く大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合、日曜午後8時ほか)。ドラマが展開していく中、江戸時代の暮らしや社会について、あらためて関心が集まっています。一方、歴史研究者で東大史料編纂所教授・本郷和人先生がドラマをもとに深く解説するのが本連載。今回は「性事情」について。この連載を読めばドラマがさらに楽しくなること間違いなし!
男女問わず客をとっていた唐丸
冒頭に「番組の一部に性の表現があります」という注意書きのテロップが流れた、5月11日放送・第18回「歌麿よ、見徳(みるがとく)は一炊夢(いっすいのゆめ)」。
実際、ドラマ内では「腎虚」となった朋誠堂喜三二の”ある部分”が大蛇になって暴れ、それを斬り落とされそうになる、という驚きの展開が。
また、長い時を経て蔦重と再会した唐丸でしたが、夜鷹だった母親から、唐丸自身も7歳を過ぎると体を売るように強いられ、今も男女問わず客をとっている様子が描かれるなど、確かにこれまで以上に性の話題に踏み込んだ回になっていました。
そこで今回は当時の性事情について少し考えてみたいと思います。