社会福祉協議会に食料を持参
この映画を見てから、食料の大切さについて考えるようになった。
私はスーパーに行くと、あれも欲しい、これも買いたいとなり、カタログで選ぶほうが節約のできる性格である。人間の性格は様々で、私の友人はカタログを見たほうがいらないものを買ってしまうそうだ。
生協の宅配は、一緒に暮らしていた兄が統合失調症で精神科病院に入院し、母が認知症で老人ホームに入居したために断っていた。私は、生協の宅配を復活することにした。
ホワイトボードに購入した食料と賞味期限と『賞味期限切れを恥と思え』と書いて、掲示した。災害用備蓄の缶詰もメモ用紙に賞味期限を書いて、食料体制を整えた。すると、自分には多すぎるものが見えてきた。
ある日、社会福祉協議会からのお知らせがポストに投函されていて、『賞味期限に余裕のある食品を寄付してほしい』と書いてあった。生活に困窮している人に食品を配布するとのことだ。
災害用に備蓄していた缶詰10缶を、社会福祉協議会の窓口に持っていった。係の人は、「これはありがたい。わざわざお持ちいただいて感謝します」と笑顔で言った。
次に、ホットケーキが何枚もできるミックス粉とスバゲッティの大きな束をもらったが、一人では食べきれないので、社会福祉協議会に持参。すると、係の人が「量が多いですね。本当に助かります」と、満面の笑顔になった。さらに、ぜんざいが作れる『ゆであずき』2袋を持ち込んだ。私は生協のカタログを見て1袋1人分だと思ったのに、ゆであずきの量が多かったのである。すると、係の人は「これは絶対に子供が喜びますよ」と言い、しげしげと『ゆであずき』の袋を眺めていた。知人から玄米をもらった時は、自分で買ったお米を寄付するため、重いのでタクシーで持ち込んだ。
ところがいま、いろいろな食料が値上がりして、私には食料を寄付するゆとりがなくなった。年金生活の限界も分かり、自分のことで精いっぱい。己の力のなさというか財力のなさを嘆いている。