また、運動でもカルチャー系の活動でも、1人よりも複数人で行ったほうが健康効果が高いことが報告されています。ですから、たとえば手芸を趣味にしている場合、1人で家に籠もって黙々と作業するよりも、手芸サークルなどに参加するほうが健康面を考えるとよいと言えるのです。

ほかにも、愛知県の高齢者約1万3000人を対象に、「普段、運動している頻度」と健康状態の関係を調べたところ、「スポーツや運動のグループに参加して、週1回以上運動している人」と「スポーツや運動のグループに参加しているが、週1回未満しか運動していない人」が将来的に要介護状態になる割合は、ほぼ同じくらいだったという結果が出ました。

「運動している人」と「していない人」が同じなのはなぜ? と思われるかもしれませんが、グループに所属することで得られる「つながり」が、運動をすること以上に心身にプラスの影響を及ぼしているからなのです。

私が所属している東京都健康長寿医療センターでも、絵本の読み聞かせを通じた世代間交流ボランティア活動を行っています。

この活動に参加しているシニア世代の方に保育園や小学校などで週に1~2回、読み聞かせをしてもらっているのですが、調査の結果、継続して活動に参加している方は身体面でも心理面でも健康状態が高まっていくということが明らかになりました。