動脈はこうしてボロボロになっていく

3種類の血管の中で、ボロボロ血管になりやすいのが動脈です。

というのは、大量の血液を送り出す動脈は血管にかかる負担が大きいからです。逆に静脈や毛細血管は負担が小さく、毛細血管の場合は極細なため、血管をボロボロにするLDLコレステロール(悪玉コレステロール)がたまりにくいという特徴もあります。ただし、加齢による劣化は、静脈も毛細血管も避けられません。

なお、動脈は、いくつかの段階を経てボロボロになっていきます。

<『世界一の心臓血管外科医が教える 善玉血液のつくり方』より>

第1段階…血管の内膜がダメージを受ける

血圧やLDLコレステロールが高い状態が続いたり、喫煙習慣があったりすると、血管の内膜がダメージを受け、それを修復するために炎症反応が起きます。

擦りむいたり、引っかいたりしてできた傷が自然に治っていく工程が、血管の中でくり返されるということです。

第2段階…血管の内側に脂肪やコレステロールがかたまりをつくる

何度も血管の内膜がダメージを受けると、その場所に脂肪やLDLコレステロールなどがたまりやすくなり、やがてプラークというかたまりをつくります。

第3段階…かたまりが大きくなる

脂肪やLDLコレステロールなどが積み重なりプラークが大きくなると、血管の中膜は分厚く硬くなります。プラークが大きくなれば、血管の直径は変わらないため、当然ながら血管の内腔は狭くなります。