血管が柔軟性を失っていく

第4段階…かたまりにカルシウムがくっつく

プラークが大きくなると、カルシウムもたまりやすくなります。骨の原料でもあるカルシウムがたまるとかたまります。これが石灰化という現象です。加えて、加齢の影響で血管そのものも硬くなってくるため、余計に血管は柔軟性を失うことになります。

第5段階…かたまりが破れる

プラークがつくられるようになると、血管の内膜がダメージを受け、破れやすくなります。破れると血液に触れて血栓(血のかたまり)がつくられます。多くは自然に溶けて消えてしまいますが、大きな血栓になると血管が詰まる原因になります。

心臓の冠動脈で起こると心筋梗塞、脳の血管で起こると脳梗塞です。

第6段階…血管にこぶができる

プラークが大きくなり血管の柔軟性がなくなると、高い圧力がかかり、血管がこぶのようにふくらみます。これが、動脈瘤。こぶが大きくなると、破裂するリスクも高くなります。第6段階まで到達すると、治療しなければ、いつ血管が破裂するか、詰まるかは運しだい。血管がボロボロになるまで放置するのは、死神に寄り添われながら生きているようなものです。

恐怖心を煽ってしまいましたが、長く生きていれば、誰もがピカピカできれいな血管というわけではありません。あくまでも劣化のスピードをゆるやかにするのが目標です。そうすることで、十分に100年生きる血管を維持することができます。

※本稿は、『世界一の心臓血管外科医が教える 善玉血液のつくり方』(あさ出版)の一部を再編集したものです。

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