弟は初めから実家の継承を狙っていた

不動産の継承については、まずそこに住んでいるかどうかが重視される。F男さんのケースでは、弟もF男さんも実家に住んでいないのでこの点での優劣はない。

そうなると実家の管理を誰がしていたかというのがポイントになる。弟は定期的に裏庭の雑草刈りや玄関周りの清掃を行なっており、そのときの写真を調停に提出していた。屋根や雨戸の修繕などもしていたので、そのときの領収証も示した。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

どうやらF男さんの弟は、初めから実家の継承を狙っていたようであった。

F男さんはしかたがないと引き下がり、弟が不動産業者に依頼した査定額をもとに、その2分の1の現金をもらうことで調停を終えた。