しかも、わが家の真向かいの家の50代のおばさんがリーダー格で、自然とその家の前(すなわちわが家の前でもある)に集まって来る。ということは、来客や宅配便の届く様子をすべて見られてしまうことになるのだ。
うるさい姑が5、6人できたようなもので、常にアラ探しをされる生活は、とても窮屈で耐えがたかった。
とにかく家の前にいつもいて、外出する時には「どこに行くの?」と聞かれ、帰宅するとまた同じメンバーから「電話が何度も鳴ってたで」とか「あんたの家の庭にノラ猫がいたから追い払ってやった」などと言われる。
これが1年365日続くと、どれだけ心理的負担になるか、わかってもらえるだろうか。
長男が2歳近くになると、晴れた日は毎日公園に行くようになった。ある日、留守中に訪ねてきた友人がわが家のベルを鳴らすと、おばさんたちに「今、公園に行ってるで」「だいたい3時半にいつも帰って来るよ」「あんた、どこの人?」などと口々に言われたらしい。
外出から帰って来ると、おばさんたちがうちの庭に入り草取りをしていたこともあれば、雨が降った時、わが家の洗濯物をすべて取り込み預かってくれていたこともある。
親切心からだったのかもしれないが、勝手に庭に入るのは近所なら当たり前、という考えには、最後までなじめなかった。