猫の模様や品種はさまざまありますが、黒猫の「にゃん太」と暮らすイラストレーター・田村セツコさんは、「いろんな猫がいますがみんなかわいい」と語ります。今回はそんな田村さんの著書『おばあさんと猫─ 87歳で、猫と楽しく暮らす47の方法』から一部を抜粋し、再編集してお届けします。
おばあさんと猫
昔から、世界中のおばあさんは猫と相性がいいんですよね。
似合うじゃない。絵として見たって。魔法使いのおばあさんが、黒猫を箒に一緒に乗せて飛んだりして。
おじさんも猫と似合うんだけど、おじさんは、犬のほうがテキパキしてて、わかりやすいんじゃない。おじさん、神秘的ってあまり得意じゃないから。
おばあさんはね、生き物としても、ちょっと猫的なところがあって、こわいような、優しいような、妖しいようなところがあります。
だからそれは、猫とやっぱりリンクするところがあると思うの。しっくりくるっていうかね。同志っていうか。
「わかるでしょ? みーちゃん」「にゃあ、わかるよ〜」っていうのが、なんか共犯関係っていうのかな。すごく気心が知れている。
昔から、下町でも、おばあさんが猫に話しかけてますよね。猫を抱っこして。人間としゃべってるのかと思ったら、じつは猫としゃべってるとかね。
「いや、みーちゃん、いやんなっちゃうわねぇ。だれだれさん、お行儀が悪くて」とか。猫に話しかけて、いいたいことをいうとか。
猫はね、中継とか同時通訳になって付き合ってる。
猫とは、やっぱり付き合いやすいのよね。