時代劇が好きで

もともと時代劇が好きだったので、悪代官が出てくるような作品を見てイメージを作り、最初の打ち合わせに臨みました。ところが、チーフ演出の大原拓さんから「道廣のことは怖いと思わないでほしい」と言われました。

例に出していただいたのは、三池崇史監督の映画『十三人の刺客』で稲垣吾郎さんが演じた松平斉韶(なりつぐ)です。ニコニコしながら人を刺すような人物だと説明されました。

笑顔でいるということは、楽しいことをしているということ。「悪い人を演じる」という考えは一切取り払い、マインドを変えたんです。

割と「爽やかな青年風」に演じた方が、客観的に見た時に怖くなるんじゃないかという結論に達しました。道廣は、普通のことをする感覚でポップに悪いことをしているんだと思っています。