謀略シーンが好き

第24回で道廣は、伊藤淳史さん演じる吉原の大文字屋に抜け荷を持ち掛けます。「うまく幕府を出し抜いたら、お前も俺も大儲けできる」と誘う。物語が動いていくシーンであり、政治物語としても楽しんでいただきたい場面です。時代劇が好きなので、謀略のシーンは演じていて楽しかったですね。大学受験で日本史を勉強したときも、文化的なものを覚えるよりも政治の話が好きだったので、道廣役をやらせていただいたことで政治のいざこざが好きだったことを思い出しました。

大文字屋を演じる伊藤敦史さんとお会いするのはバラエティで共演して以来20年ぶり。お芝居をご一緒させていただくのは33年ぶり。撮影の合間に、「この33年間どのように生きてた?」なんて会話をして、連絡先を交換しました。この前一緒にゴルフに行ってきました。

道廣の弟、廣年役のひょうろくさん(右)(『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』/(c)NHK)

道廣の弟、松前廣年を演じる芸人のひょうろくさんとは、顔が似ているんですよ。見た目にこんなに違和感のない2人も、なかなかいないんじゃないかなと思っています。僕もひょうろくさんも一筆書きで書けるような感じの顔ですし(失礼な言い方をお許しください)、同じDNAを持っているような気がしています(笑)。

ひょうろくさんは、お芝居の最終形態とでも言いましょうか。たたずんでいるだけで雰囲気があり、物語ることができる。ひょうろくさんの表現を目の前で見て、すごく勉強になりました。