(写真提供:Photo AC)
「断るのが苦手」「強い人につい押しきられてしまう」「期待に応えようと無理をしがち」といったことに悩んでいませんか。「その悩み、人間関係に『線を引く』ができてないからかもしれません」と話すのは、精神科医の藤野智哉先生です。今回は、藤野先生の著書『人間関係に「線を引く」レッスン 人生がラクになる「バウンダリー」の考え方』から「バウンダリー=自分と他者の間にある境界線」を適切に引き、人生を快適にするヒントを一部ご紹介します。

「線を引く」ということ

「線を引こう」というと、拒絶反応を示される人も多いです。

「線を引く」ってことは「自分の領域をはっきりさせる」ということですが、そうすると「自分の領域に責任をもつ必要があるから」です。

自分で決断したことは、基本的には自分で責任をとらなきゃいけなかったりしますから。

たとえば、同僚の意見に反対せずに言うことをきいたほうがラクなことがあります。

職場で「私は仕事のやり方をこのようにしたほうがいいと思います」と言ってみたら、「じゃあ、あなたがやってよ」と言われることもあります。

パートナーと家事分担を決めるより、文句を言いながらでも自分が家事をしたほうが都合がいい場合もあります。

「多少、自分が損しても、自分以外の誰かに決めてほしい」という感覚は誰しもが少なからずあるでしょう。