91歳のBさんの例
そこで知ったのが91歳のBさんの例です。
「うちの父は、口が悪くてわがまま放題ですが、好きなことをして、好きなものを食べているときは機嫌がいいので助かっています。本人が楽しんでいるということが、介護している家族にとっても何よりです」
そう語るのは、Bさんの娘さん。Bさんは、脳梗塞で左半身に軽いまひがあり、週2回デイサービスに通っています。ふだんの生活は、同居する娘さんが服の脱ぎ着や歩行の介助などをしています。
もともと趣味の多い人で、片まひの障害が残ってからもリハビリを兼ねて折り紙を始めました。初めのころはツルを折るのも一苦労でしたが、根気よく続けるうちにパーツをいくつも組み合わせて、立体的なくす玉も作れるようになったとのことです。折り紙をしているときには夢中で、出来上がった作品をデイサービスに飾ってもらえたときは「みんなに喜んでもらえてうれしい」とおっしゃったそうです。