自分の思い通りにコントロールしたい
要するに、身の回りのあらゆることを自分の思い通りになるようにコントロールしておきたいわけで、その願望のかなりの部分がこれまでは満たされてきたのではないか。
そうできるだけの能力も持ち合わせていたので、若くして庭付き一戸建ての家を購入できるだけの収入を得られる職に就けたのだろう。
理路整然とまくし立てるのも、論理的に考え、言語化する能力があるからこそできる業ともいえる。
もっとも、「~までに、ああして、こうして」とあらゆることを想定し、人生設計を綿密に立てておくのは、想定外の事態が起きたときに対処する自信がないからでもある。
想定外の事態にうまく対処できないのではないかという不安が強いからこそ、その懸念をできる限り取り除くために、あらかじめ細かく計画しておかずにはいられない。
実際、このタイプは想定外の事態に対して臨機応変に対処できないことが少なくない。
理路整然としているのも、実は異議や反論に対して臨機応変に言い返せないのではないかという不安が胸中に潜んでいるせいであることが多い。
この不安を払拭するために、「ああして、こうして」という具合に自分の頭の中できちんと計画を練り上げておき、他人に口をはさませないようにする。
もしかしたら、自分に柔軟性がないことに薄々気づいているからこそ、ごりごりの理論武装で身を守ろうとするのかもしれない。