「賢い私が親切でやってあげている」つもり
しかも、姑は100%自分の思い通りにしないと気がすまない性格のようで、孫の教育についても「*歳までに~を習わせて。~の学校に入れて」という具合に綿密な計画を立てているらしい。
その計画にもとづいてしょっちゅう口出しするので、嫁は反感を抱いているようだ。しかし、姑が「私は3人の息子をみんな国立大学に入れました」としきりに成功体験を持ち出すため、嫁としては何も言えなくなってしまうのだとか。
いくら嫁が辟易していても、夫の両親に建ててもらった家なので、姑に「来ないでほしい」とは言いにくいだろう。
とはいえ、吐き気の原因が毎日のように押しかける姑にあることに、嫁自身も気づいている。
姑となるべく顔を合わせないようにするためにパートにでも出ようかとも考えたものの、姑から「子どもが小学校に上がるまでは、母親は家にいたほうがいい」と言われて断念したという。
この姑も、先ほど取り上げた夫と同様に支配欲求が強く、自分は正しいと思い込んでいるように見える。
姑が息子夫婦の家の家具も照明もカーテンもすべて自分で決めてしまったのも、孫の教育にしょっちゅう口出しするのも、あくまでも「賢い私が親切でやってあげている」つもりなのだろう。
夫が家事や買い物などについて細かく指示するのと同じ心理であり、自分のふるまいに相手が辟易しているとは夢にも思わない。
しかも、二人ともなまじ成功体験があるだけに、それにもとづいて人生設計を理路整然とまくし立て、相手の意見には耳を傾けない。
おまけに、正しいのは自分であり、周囲はそれに従うべきという上から目線だからこそ、家族が不眠や動悸、吐き気などに悩まされるのだろう。だが、当の本人にその自覚はなさそうだ。