気分をリフレッシュしてくれる宝物

また、19歳の頃、盲腸の手術で1週間ほど入院したことがありました。私は籐のバスケットにお気に入りの品物を詰めて持っていき、ベッドのサイドテーブルに置いて、白い壁にはお気に入りの絵葉書を飾りました。

個室ではなく3人部屋だったのですが、サイドテーブル側を向いていると、誰にも邪魔されない自分だけの空間になるのね。回診のたびに、先生や看護師さんに笑われましたが、ほかの患者さんにもすぐ流行しました。

『田村セツコの私らしく生きるコツ 楽しくないのは自分のセイ』(著:田村セツコ/WAVE出版)

おかげで、殺風景だった病室がお気に入りの空間となり、気分のふさぎがちな入院生活も、思い出深い楽しい日々となったのです。

ほんとに小さなスペース、ハンカチぐらいの広さでもワンダーランドはできます。庭の苔をじっと見ると森に見えてくる。あの感じです。ペットボトルの中に菜園を作る人もいますね。

ほかの人から見れば無駄な空間やモノにしか見えなくても、自分にとって「好き!」と思えるものがあれば、実はそれだけでずいぶん安心できるもの。私たちの身の回りに、気分をリフレッシュしてくれる宝物は実はいっぱい転がっています。そのことに気づいてからは、ストレスを溜め込む前に、自然に気持ちを切り替えられるようになりました。まさにプライベートパラダイスです!