寝たきりを予防する立ち上がり訓練(スクワット)

高齢者が転倒して寝たきりや認知症にならないために、最も重要視しているのが、お尻と太ももの強化です。つまり、立ち上がり訓練(スクワット)です。

イスに座った状態から、手は使わずに腰を浮かせてスッと立ち上がります。立ち姿勢では、床に踵をしっかりとつき、膝と股関節を伸ばして、お尻に力を入れて背筋を伸ばします。この姿勢を保つことがとても重要です。

(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)

次に上半身を少し前に倒してお辞儀するような姿勢で腰をゆっくり落とし、再びイスに座ります。下肢の力が弱っているとドスンと座ってしまい、脊椎の圧迫骨折の原因になります。

この動作を連続して30回が1セットで、それを朝、昼、晩と1日3セット行います。30回×3セットですから1日合計90回になります。

ただし、これは屋内歩行が自由になる最低限の回数です。立ち上がり訓練が20回未満では、転倒リスクが高くなり、徐々に歩けなくなります。屋外で転倒しない筋力と体力を考えれば50回×3セット、1日合計150回が必要になります。この訓練を継続して行えれば、足腰の筋力や股関節の動きが保たれて、転倒や骨折が起こりにくくなるのです。

※本稿は、『筋肉革命95 何歳からでも実現できる95歳で当たり前に歩いて楽しむ人生を』(日刊現代)の一部を再編集したものです。

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