(写真提供:Photo AC)
厚生労働省の「令和5年簡易生命表の概況」によると、2023年の日本人の平均寿命は男性が81.09年、女性が87.14年だったそうです。そのようななか、脳卒中リハビリのエキスパートである、ねりま健育会病院 病院長・酒向正春先生は「本当にやりたいことができる人生100年時代を送る身体づくりが必要」と話します。そこで今回は、酒向先生の著書『筋肉革命95 何歳からでも実現できる95歳で当たり前に歩いて楽しむ人生を』より一部引用、再編集してお届けします。

認知症リハビリテーション4段階の基盤

認知症リハビリテーションには、(1)認知症の発症を遅らせる予防リハビリテーション、(2)発症後に進行を遅らせる軽症リハビリテーション、(3)進行しても生活が困らないようにするための中等症リハビリテーション、(4)自分や家族がわからないほど進行しても介護者の負担を減らすための重症リハビリテーションの4段階あります。

最も大切なのが、筋力と体力の向上による身体づくりです。マシンや器具を使った純粋な筋力トレーニングを100歳でも行っています。

ただし、いくら軽くても、その人が持ち上げられない重さのバーベルを無理に持ち上げるように強制してしまうと楽しくないし、“拷問”になってしまいます。

その時点で5kgのバーベルを10回しか持ち上げられない人であれば、まずはその重さか、それ以下からスタートさせます。

クリアできれば、「しっかりできましたねー。次は7kgで10回を3セットすることを目標にしましょう」といったように、達成できる目標で本人のやる気を促し、週単位でゆっくりと重さや回数を増やしていく必要があります。